和歌山県白浜町の山間部に、円次郎ときく の畑はあります。
戦後、本格的にお茶とみかんの生産を始めた祖父母が作った農園の景色を
守っていきたいと、今はその孫たちが管理し、育てています。
できるだけ化学肥料や農薬を使わない畑にしていこうと取り組んでいます。
history
この地域は、江戸時代から紀州藩の茶どころとして茶葉を納めていました。しかし、現在のようなまとまった茶畑に整備されたのは戦後のようです。
戦後も、しばらくは電気もガスもない、ほぼ自給自足の暮らしが営まれていた山奥の地域。車の通れる現在の道路が整備されたのは1955年、日置川上流でダム工事が始まった時です。
この道のおかげで祖父母である「円次郎ときく」は、お茶と八朔 の生産を広げました。
昭和の時代、茶摘み時は 円次郎ときく の子供と子供達家族が集まり、みんなで腰に籠を下げてお茶摘みをするのが恒例行事。期間限定のお茶摘みさんも雇っていたそうです。
摘んだお茶は町の茶工場に運び、工場で茶葉へと製造され京都や静岡に出荷されていました。
とても美味しいお茶なのでブランド化の話は何度も持ち込まれましたが、地域の生産量が少なく当時の価値観では難しかったそうです。
時代が進むにつれ、収穫は手摘みから機械摘みに変わります。
円次郎ときくが高齢となり農園の管理は次世代に移り、山裾に住む娘夫婦が後を引き継いで農園を守ってきました。
その夫婦も歳を重ね、さらに次世代へのバトンが渡された今、豊かな景観と喜んでもらえる農作物や加工品を生産していこうと取り組んでいます。
「円次郎ときく」の茶畑では、農薬と化学肥料は使っていません。有機肥料もできるだけ控え、周辺の植物を畑に入れ土を豊かにしていこうとしています。
自然の力をたっぷり吸収したお茶にしたい。
直接販売するお茶は、製造過程でも自然の力をたくさん借りています。